江戸食と酒と旅の話

江戸文化好きライター・花松のブログ

むかしの浴衣、かわいい。「特別展 ゆかた 浴衣 YUKATA―すずしさのデザイン、いまむかし」レビュー

夏になると、「今年もちゃんと浴衣を着なくては」と謎のプレシャーを自分に課している私。(女性は同じような人いるよね?)

もっと気軽に着たいのだが、仕事がある日は無理だし、週末も泊まりで遊びに行くことも多く、なかなかチャンスがないので毎年ほぼ1回しか着ていない。

が、やっぱりもっと気軽に浴衣を着たいなぁと、浴衣の展覧会「特別展 ゆかた 浴衣 YUKATA―すずしさのデザイン、いまむかし」に行き、思いました。

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5/28(火)より泉屋博古館(せんおくはくこかん)美術館分館で開催中のこちらの展覧会は、江戸時代から近代までの浴衣や、浴衣にまつわる浮世絵、絵画、資料などを展示する展覧会。浴衣の歴史やデザインの移り変わりについて知ることができる。

浴衣はもともと武士のお風呂着だった

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現代では、花火大会などに女性が着るイメージが強い浴衣。

しかし意外にも浴衣を最初に着ていたのは、武士などの上流階級の人たちだそう。現在のような湯に浸かる風呂が一般化する以前に主流だった蒸し風呂で、肌着として身につける湯帷子(ゆかたびら)が浴衣のルーツなのだとか。素材は通気性の良い麻が使われていた。

その後、町風呂(銭湯)文化が発展するとともに、庶民の入浴後のくつろぎ着として浴衣が誕生。だんだん銭湯を往復するときなどに使用されて、その後は、盆踊りや花火、蛍狩りなどに用いられ、近所をぷらっと出歩くときに着る今で言うワンマイルウェアのような、カジュアルファッションとして定着していった模様。

素材も麻から木綿へと変化し、染の技法も発達し意匠が凝らされたデザインも増えていったそうだ。

絵画で見る浴衣

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同展覧会で様々な浴衣と一緒に飾られていたのが浴衣姿の美人画や、浴衣を着た男性の浮世絵など。

浮世絵といえば女性を描いた美人画の類を目にすることが多く、男性の浴衣姿にフォーカスして鑑賞することはあまりないので、ちょっと新鮮だった。

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歌川国貞の作品も。浴衣姿で蛍狩りに出かけた女性を描いた1枚は、夏の風情たっぷりで素敵。浮世絵好きなので、じっくり見ました。

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江戸時代の浴衣

また、現存するももっとも古い浴衣(というか湯帷子)も展示されている。しかも、徳川家康が着用した言われているものだそう!

涼しげで上品…。

薄手の麻で仕立てられており、現在着ている浴衣とは印象が違う。それにしても、こんなペラペラな素材でこのようなキレイな状態のまま残っているのがスゴイ。

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続いて18世紀後半頃の浴衣。素材は麻。浴衣と言えば木綿を思い浮かべてしまうが、麻はなんとも涼しそう。この頃はおおぶりなデザインが主流だったそう。

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こちらは19世紀後半のもの。桜の文様が描かれている。 っていうか、めっちゃかわいい。

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こちらは明治から大正にかけての浴衣で菖蒲模様が施されている。江戸時代のものに比べるとちょっとモダンな感じがする。この頃から、アール・ヌーボーに影響されたようなデザインが多くなり、この作品もその一部なんだとか。

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近・現代の浴衣

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大正、昭和、そして現代の浴衣の展示もあり。鏑木清方など近代の画家がデザインした浴衣や、昭和の人間国宝が手がけたものなど貴重なものがズラリ。

明治を過ぎるとデザインがガラッと広がるのが印象的だった。

近代のコーナーに関しては関しては撮影NGだったのだが、竹久夢二を思わせるような大正レトロな浴衣や繊細で美しいかんざしや櫛にも胸キュン!

ほかには、型染めや絞りの技法についての資料や、職人による製造工程を収めたビデオ上映などもあり、浴衣や染物について、楽しみながら知ることができる。

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伝統的なデザインや技を目の当たりにして、改めて和装や和柄の魅力を感じた展覧会。

なんだか、お風呂あがりに浴衣着てプラプラ散歩したいな〜なんて気分に。旅行のときくらいしかやらないけど、普段からやってもいいよね。もっと浴衣が着たくなった。

展覧会は5/28(火)〜7/7(日)まで。泉屋博古館美術館HP→https://www.sen-oku.or.jp/

※今回は内覧会にて美術館より特別に許可をいただき撮影しています。